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刈谷沢神明宮のお田植え祭

- 五穀豊穣と子孫繁栄を祈願する -

黒々と墨を塗った張り子の牛が置鞍、代掻き道具一式を引く 見どころ

この神事の中心となるのは御札を貼り付けて黒々と墨を塗った張子の牛。神事は牛を導き、手綱をとる太郎、代かき万鍬を持った次郎が、「毎年毎年やでござる」と言いながら式場を回る。付き人は御神木、鍬、鋤を持って後ろに続きながら「あらめでたいな」と声をかけ、その掛け声に合わせて周囲の参詣者が雪を握って投げつける。このとき、雪が多いほど、豊年の吉兆といわれている。田植時に水が不足しないようにとの祈りを神に捧げる意味があり、ひょうきんな動きに村内に笑顔の花が咲く、春を告げる行事。

拝殿前にて神楽が催される 由来・歴史

刈谷沢神明宮に古くから伝承されている、御作治の神事である。五穀豊穣と子孫繁栄を祈願する祭りで、古来のお田植え神事の伝統を色濃く遺していることで知られている。作始めのお田植え祭りであるが、古い詞章に合わせて太郎、次郎という道化が代かきの所作をおもしろおかしく行うのところが楽しい。今は村人だけでなく、遠方からも多くの参加者が集まる。この祭りは長野県の無形文化財に指定されている。

雪玉を投げられた張り子の牛 白鳳年間に創建の刈谷沢神明宮

地図

[開催日]
3月上旬の日曜
[開催地区]
刈谷沢神明宮
[問い合わせ]
筑北村商工会
〒399-7601長野県東筑摩郡筑北村坂北2191-1
tel 0263-66-2444

写真と本文■『信州 ふるさとのまつり』(ほおずき書籍/星雲社)より
信州大学人文学部教授 笹本正治 監修/長野県商工会青年部 編著